家づくりにおいて、部屋の印象や暮らしやすさを大きく左右するのが「床材」です。
床材を選んでいたころは、
「挽板や突板とシートフローリングは、実際どのくらい違う?」
「水回りには、どの床材を選べばいい?」
「小さな子どもがいる家庭でも、天然木を使った床材で大丈夫?」
など、分からないことがたくさんありました。
わが家では、場所によって次の床材を採用しています。
- リビング・玄関からリビングへ続く廊下:挽板フローリング
- 子ども部屋・寝室・リビング奥の廊下:突板フローリング
- トイレ:木目調のシートフローリング
- ランドリールーム兼脱衣室:石目調のフロアタイル
実際に2年間暮らしてみると、床材ごとに「選んでよかった」と感じる部分だけでなく、傷や汚れなど、住み始めてから気づいたこともありました。
この記事では、床材の種類を簡単に紹介しながら、わが家が採用した床材の使い心地・傷つきやすさ・お手入れ方法を、実体験をもとにご紹介します。
わが家が選んだ床材一覧
わが家では、すべての部屋に同じ床材を使うのではなく、部屋の用途・水に濡れる頻度・予算を考えながら床材を使い分けました。

床材を選ぶ際は見た目だけでなく、足触り・掃除のしやすさ・傷への強さ・価格も比較しました。
同じ天然木を使った複合フローリングでも、わが家では、特に見た目を重視したリビングに挽板、費用を抑えたい個室には突板を採用しています。
以下では、それぞれを2年間使って感じた違いもご紹介します。
床材の種類と違いを簡単に紹介
床材にはたくさんの種類がありますが、注文住宅でよく検討される代表的なものを簡単にまとめます。
無垢フローリング(天然木)
無垢フローリングは、合板などを使わず、天然木から切り出した木材でつくられた床材です。
天然木ならではの風合いや足触りが魅力で、時間が経つにつれて色や質感が変化していきます。
一方で、価格が高くなりやすく、湿度による伸縮や反り、傷や水濡れに注意が必要な場合があります。
木の種類によりさまざまな色合いを楽しめるのも魅力です。

複合フローリング
複合フローリングは、合板などの基材の上に表面材を貼り合わせた床材です。
商品によって異なりますが、一般的に、薄くスライスした天然木を貼るものを突板フローリング、突板よりも厚い天然木を貼るものを挽板フローリングと呼びます。
- 薄くスライスした天然木(0.3〜0.6mm程度)を貼る突板フローリング
- 突板より厚い天然木(2〜3mm程度)を貼る挽板フローリング
- 木目を印刷したシートを貼るシートフローリング
ちなみにわが家がリビングなどメインで採用したのは、挽板フローリングです。
クッションフロア・フロアシート
クッションフロアは、塩化ビニール素材でつくられたシート状の床材です。
水や汚れに比較的強く、木目調・石目調・タイル調など、さまざまなデザインがあります。
比較的費用を抑えやすいため、トイレや洗面所などの水回りにもよく使われています。
住宅会社によっては、「クッションフロア」ではなく「フロアシート」などの商品名で案内されることもあります。
フロアタイル
フロアタイルは、塩化ビニール素材などでつくられた、タイル状の床材です。
本物の石やタイルに近い凹凸や質感を再現した商品も多く、水回りにも高級感を取り入れやすいことが特徴です。
クッションフロアより硬く、タイルや石材よりも施工しやすい一方、商品や使い方によっては傷や剥がれが発生することもあります。
リビングには節入りの幅広挽板フローリングを採用
わが家では、リビング・玄関からリビングへ続く廊下・廊下の一角にある洗面スペースに、節入りの幅広タイプの挽板フローリング「ラスティックオーク」を採用しました。

挽板フローリングは、表面に2〜3mm程度の厚みがある天然木を使った複合フローリングです。無垢材のような木の表情を楽しみやすい一方、基材に合板などを使っているため、無垢材よりも反りや伸縮を抑えやすいとされています。
リビングや玄関側の廊下は、家の中でも床の面積が広く、来客の目にも触れやすい場所です。そのため、費用だけでなく、落ち着きと重厚感のある空間に見えることを重視しました。
幅広タイプは一枚ごとの木目がよく見え、節や色の濃淡も感じられます。わが家の和モダンなリビングや木目の下がり天井ともよくなじみ、床そのものが空間のアクセントになりました。
グレーのキッチンとの相性もよかった
わが家のキッチンは、LIXILリシェルSIのグレースグレーを採用しています。

グレーのキッチンは、組み合わせる床材によっては少し冷たい印象になることもありますが、天然木を使った挽板フローリングを合わせることで、空間に温かみが加わりました。
木目とグレーの組み合わせは、和モダンな雰囲気にも合わせやすく、とても気に入っています。

寝室・子ども部屋・廊下の一部は幅狭タイプの突板にして減額
寝室・子ども部屋・リビング奥の廊下には、節なしの幅狭タイプの突板フローリングを採用しました。

突板フローリングも表面に本物の天然木が使われていますが、表面材の厚さは一般的に0.3〜0.6mm程度で、挽板より薄いことが特徴です。
わが家が選んだ商品は、リビングの節入り・幅広タイプの挽板よりも価格を抑えられたため、天然木の足触りを残しながら減額できました。
家づくり中は、子ども部屋などをシートフローリングに変更することも検討しました。しかし、ハウスメーカーに確認したところ、幅狭タイプの突板とシートフローリングでは、価格が大きく変わらないとのことでした。
それならば、寝室や子ども部屋でも本物の木の足触りを楽しみたいと思い、突板フローリングを採用しました。実際に2年間暮らしてみても、個室まで突板にしてよかったと感じています。
挽板と突板に共通して感じたメリット
夏でもベタつきにくく、冬も冷たすぎない
挽板・突板フローリングを採用して、最もよかったと感じているのが足触りのよさです。
表面に本物の木が使われているため、裸足で歩いたときの感覚が、以前暮らしていた賃貸住宅のシートフローリングとは大きく違いました。
夏場でも足裏がベタつきにくく、冬も床に触れた瞬間の冷たさが比較的穏やかです。
床暖房のないわが家ですが、冬でも「冷たくて裸足では歩けない」と感じることはそれほどありません。
つい裸足で過ごしたくなるような、さらっとした肌触りが気に入っています。
小さな子どももハイハイしやすそうだった
娘がハイハイをしていた時期も、表面がさらっとしていて、気持ちよさそうに動き回っていました。
床に座って一緒に遊ぶことも多いため、子どもだけでなく、大人にとっても足触りのよさは大きなメリットでした。
挽板と突板を比較して感じた違い
節入りの挽板は傷や汚れが目立ちにくい
リビングには節入りの挽板フローリングを選んでいます。
木目や節による色の濃淡があるため、細かな傷や小さな汚れが周囲になじみやすく、思っていたより目立ちません。
均一で明るい床材に比べると、多少の使用感も木の表情の一部として受け入れやすいと感じています。
小さな子どもがいると、床を傷ひとつなく保つのは難しいもの。
そのため、傷が心配な家庭では、節や木目がしっかり見える床材を選ぶのも一つの方法だと思います。
挽板・突板に共通して感じたデメリット
硬いものや鋭いものを落とすとへこみやすい
挽板・突板フローリングは、どちらも表面に本物の木が使われているため、硬いものや角のあるものを落とすと、傷やへこみができることがあります。
実際にわが家でも、知らないうちに小さなへこみや傷が付いている場所が数か所あります。
ただし、2年間使ってみると、同じ天然木を使った床材でも、挽板と突板では傷の見え方に違いがあると感じました。

上の写真は、左が突板フローリング、右が挽板フローリングです。傷の大きさや付き方が異なるため単純な比較はできませんが、左側の突板は傷が白く浮いて見えます。一方、右側の挽板は木目や節、色の濃淡になじみ、少し離れると見つけにくい状態です。
特に表面の天然木が薄い突板は、深い傷によって下の層が見えると補修が難しくなる場合があります。挽板も傷が付かないわけではなく、補修方法は商品や表面加工によって異なります。
ただし、傷の目立ち方は天然木の厚さだけでなく、床の色・木目・節の有無・表面加工・傷の深さによっても変わります。
わが家の場合、突板は明るく節の少ないデザインなのに対し、挽板は木目や節、色ムラがしっかり見えるデザインです。そのため、細かな傷が周囲になじみやすいのは、リビングに採用した節入りの挽板フローリングでした。
どちらの床材にも傷は付きますが、少し離れて見るとそれほど目立たない傷も多くあります。傷を完全なデメリットと考えるよりも、家族が暮らした跡や天然木ならではの経年変化として受け入れながら使っていく床材なのかなと感じています。
床の溝に食べかすや粉が入りやすい
わが家がリビングに採用した挽板フローリングは、板と板の間の溝がしっかりと感じられるタイプです。床に立体感が生まれ、空間全体に落ち着きと重厚感が出るところを気に入っています。

一方で、床材同士の溝には、子どもの食べかすや細かなゴミが入り込むことがあります。
特に粉薬のような、細かな粉は溝に入ると少し取りにくいです。
掃除機だけでは取れないときは、ブラシや細い掃除用品を使って取り除いています。
そのため、汚れやすい場所には床を保護するマットを敷いています。
- キッチンの足元
- 子どもが食事をする場所

わが家では、床材の色や木目を隠しにくい透明マットを選びました。
挽板の質感を楽しみながら、食べこぼしや水濡れから床を守れるため、小さな子どもがいる家庭にも取り入れやすいと思います。
廊下の一角にある洗面スペースも挽板に
一般的に、洗面所にはクッションフロアやフロアタイルなど、水に強い床材が選ばれることが多いと思います。
しかし、わが家の洗面台は独立した洗面室ではなく、廊下の一角に設置しています。
洗面台の部分だけ床材を切り替えると空間が分断されて見えるため、廊下から続く挽板フローリングをそのまま採用しました。

採用前は、水濡れによるシミや劣化が少し心配でした。
現在は、水が落ちたときに気づいたらさっと拭くようにしています。
2年間暮らした時点では、膨らみ・変色・表面の剥がれなど、目立つ劣化は感じていません。
洗面台と脱衣室が同じ空間にある場合は、耐水性の高い床材の方が安心ですが、わが家のように廊下の一角にある洗面スペースなら、挽板フローリングも十分検討できると感じました。
トイレは掃除しやすい木目調シートフローリング
トイレには、木目調のシートフローリングを採用しました。

トイレは水や汚れが付着しやすく、床を拭く機会も多い場所です。
そのため、本物の木の質感よりも、掃除のしやすさと水への強さを優先しました。
木目調のシートフローリングには、わが家のようなシンプルな木目柄から、ヘリンボーン柄のようなデザイン性の高いものまで、さまざまな種類があります。
廊下とトイレで床材が切り替わる部分には、アルミの見切り材を採用しました。

真鍮の見切り材も人気があり素敵ですが、アルミでもすっきりとおしゃれに仕上がります。真鍮よりも費用を抑えやすいため、予算を抑えながら見た目にもこだわりたい方におすすめです。

本物の木に近い質感を求める場所には突板、掃除のしやすさを優先したい場所にはシートフローリングと、場所によって優先順位を変えて選んでよかったと思います。
ランドリールーム兼脱衣室は石目調フロアタイル
ランドリールーム兼脱衣室には、グレーの石目調フロアタイルを採用しました。
脱衣室は、お風呂上がりの水滴や洗濯物などで、家の中でも特に床が濡れやすい場所です。
そのため、水に強い床材を選びました。

石目調は高級感があり、グレーの内装にも合わせやすい
フロアタイルは、本物の石やタイルに近い柄や凹凸を表現した商品が多くあります。
わが家が選んだ石目調のフロアタイルも、シート状の床材より立体感があり、ランドリールームに高級感を出してくれました。
グレーを基調としたわが家の内装にも合わせやすく、デザイン面ではとても気に入っています。
水には強いものの、思ったより傷には弱かった
フロアタイルを採用する前は、「水にも傷にも強い床材」というイメージを持っていました。
しかし、実際に2年間使ってみると、思っていたより傷には弱いと感じています。
何を落としたのかは分かりませんが、知らないうちに床の表面が一部剥がれ、中の茶色い素材が見えていた場所がありました。
わが家はたまたま、グレーの石目調を選んでいたため、グレーの傷隠しで補修したところ、ほとんど分からない状態になりました。

ただし、単色の床材や明るい色の床材など、選んだ柄によっては補修跡が目立つ可能性もあるなと感じました。
石目や色ムラのある柄は、傷や補修跡が周囲になじみやすいという点でも選びやすいと思います。
わが家が床材を選ぶときに重視したポイント
長く過ごす場所は足触りを重視する
リビング・寝室・子ども部屋など、裸足で歩いたり床に座ったりする時間が長い場所には、表面に天然木を使った挽板・突板フローリングを採用しました。
床材は目で見るだけでなく、毎日直接触れるものです。
サンプルを確認するときは、手で触るだけでなく、可能であればモデルハウスなどで実際に裸足で踏んで比較するのがおすすめです。
水回りでも濡れ方によって床材を変える
同じ水回りでも、洗面スペースと脱衣室では床が濡れる頻度が異なります。
わが家では、
- 水滴が少し落ちる程度の洗面スペース:挽板フローリング
- 水に濡れやすいランドリールーム兼脱衣室:フロアタイル
- 頻繁に床を拭くトイレ:フロアシート
というように使い分けました。
「水回りだからすべて同じ床材」と考えるのではなく、実際にどの程度水がかかるのかを想像すると選びやすくなります。
減額するときは素材だけでなく幅やデザインも比較する
床材は施工面積が広いため、選ぶ素材によって建築費が大きく変わります。
床材で減額する方法として、まず思い浮かぶのが、天然木を使用したフローリングからシートフローリングへ変更することです。
しかし、わが家の場合は、幅広タイプから幅狭タイプに変更することでも費用を抑えられました。
床材の価格は、素材だけでなく、
- 板の幅
- 節の有無
- 表面加工
- 色や樹種
- 商品シリーズ
によっても変わります。
シートフローリングへ変更する前に、同じシリーズの中で価格を抑えられる商品がないか確認してみるのがおすすめです。
2年暮らして分かった、床材選びで後悔しないためのポイント
わが家が実際に床材を使って感じたポイントをまとめます。
挽板・突板フローリングがおすすめの人
- 本物の木の足触りを楽しみたい
- 無垢材より費用や扱いやすさを重視したい
- 夏のベタつきや冬の冷たさを抑えたい
- 細かな傷も木の味わいとして受け入れられる
挽板・突板は、本物の木の質感と価格のバランスを取りたい人に向いていると思います。
わが家では見た目を優先して挽板・突板フローリングを選び、満足しています。
ただ、細かな傷はどうしても付きやすいため、ペットを飼っている人や傷が気になる人は、シートフローリングも比較して選ぶことをおすすめします。

本物の木を使った床材は、住んでみると思っていた以上に足ざわりが良く、わが家の中でも「お金をかけて良かった」と感じているものNo.1です!
フロアシートがおすすめの場所
- トイレ
- 洗面所
- 掃除を頻繁にする場所
- 費用を抑えたい場所
本物の木らしさは突板に劣りますが、掃除やお手入れの気軽さは大きなメリットです。
フロアタイルがおすすめの場所
- 脱衣室
- ランドリールーム
- 玄関
- 石目調やモルタル調を取り入れたい場所
水に強く、空間に高級感を出しやすい一方、傷がまったく付かないわけではありません。
デザインだけでなく、表面の丈夫さや補修方法まで確認して選ぶことをおすすめします。
まとめ|床材は場所ごとに優先順位を決めて選ぶ
わが家では、挽板・突板フローリング・木目調フロアシート・石目調フロアタイルの4種類を採用しました。
2年間暮らした感想としては、特にリビング・寝室・子ども部屋を挽板・突板にしたことに満足しています。
夏はベタつきにくく、冬も冷たすぎないため、裸足で過ごすことが多いわが家には合っていました。
一方で、硬いものを落としたときのへこみや、床の溝に入り込む細かなゴミなど、使って初めて分かったデメリットもあります。
また、水に強いイメージで選んだフロアタイルにも傷ができたため、どの床材にも得意なことと苦手なことがあると実感しました。

実際に2年間暮らしてみて、床材は「どれが一番いいか」ではなく、場所に合っているかが大切だと感じました!
床材を選ぶときは、
- 見た目やインテリアとの相性
- 裸足で歩いたときの足触り
- 水に濡れる頻度
- 掃除のしやすさ
- 傷が付いたときの見え方
- 予算とのバランス
を、部屋ごとに考えることが大切です。
すべての部屋に高価な床材を使わなくても、長く過ごす場所には質感のよい床材を選び、水回りにはお手入れしやすい床材を使うなど、メリハリをつけることで、予算と暮らしやすさを両立できます。
これから家づくりをする方の床材選びの参考になればうれしいです。



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